所有している土地を全て売却したいわけではないけれど、一部だけを売却したいというケースがあります。
そこで重要になってくる一つの方法として「分筆」というものがあります。
今回はそんな不動産の分筆について解説していきます。
不動産売却における「分筆」とは？
1つの土地を不動産登記上2つに分断する行為を「分筆」と呼び、分筆することによって分離した土地を売却することが可能となります。
不動産の分筆は土地の分割と間違えやすいのですが、法律的に全く異なる行為となるので、注意しなければいけません。
どちらも土地を2つに分けることに変わりはないですが、分割は登記簿上では分けられません。
一方、分筆はというと、登記簿上でも分けられ、抵当権も分けて取り扱うことが可能になります。
そのため、分割だと抵当権を所有者から分離して取り扱うことができないため、売却をおこなうには基本的に分筆の方をおこなう必要があります。
不動産を分筆して売却する流れとは？
不動産を分筆して売却したい場合には、通常の不動産売却の流れとは少しプロセスが異なります。
まずは分筆に必要となる手続きをおこなう必要があります。
そのためには、土地家屋調査士と呼ばれるプロに依頼するのが良いでしょう。
法務局において土地の面積や境界線などを明確にした上で、現地調査や測量をおこない、境界票を設置することになります。
土地の所有者が立ち会った上で分筆登記をおこない、分筆の手続を完了します。
不動産の売却に関する手続きは、分筆の手続がすべて完了してからとなります。
同時進行でおこなうことはできません。
不動産を分筆した上で売却する場合には、まず分筆の手続をおこなわなければいけません。
分筆は、申請するだけでも6万円程度の申請費用が掛かりますし、測量などの作業にも25万円程度がかかることになります。
つまり、土地を分筆する作業には30万円超の費用がかかることを理解しておきましょう。
不動産を分筆して売却したい場合の注意点とは？
事情があって一部分の土地だけを売却したい場合などには、分筆が必要です。
しかし分筆においては、どのように土地を分けるかという点がとても重要で、分け方によっては建物を建てることができなかったり、宅地としては非常に使いづらくなってしまう可能性があります。
注意したいポイントとしては、どちらの土地も接道義務を満たしていること、そして前面道路が私道の場合には使用承諾が必要となります。
また、分筆した土地を複数売り出すことはできません。
複数売却できるのは国や地方公共団体などから認められた業者のみが可能なので、個人が複数の土地の売却をおこなうと、宅地建物取引業法の反復販売の禁止に反してしまうので注意しましょう。
分筆後も、抵当権抹消の手続きなどをおこなう必要があるので、何かと事前に専門知識が必要となります。
土地を部分的に売却したいと考えている人は、そうした点も含めて不動産業者に相談しながら決めることをおすすめします。
まとめ
土地の分筆では、どのように分けるかによって売却しやすさが大きく変わります。
相談しながら、後でトラブルになることがなく、売却しやすい分け方をしたいものです。
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